太平洋戦争末期の雑誌 その1

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  「本日之業實」昭和20年3月15日号です。あまり良いものがないとがっかりしていた骨董&アンティークin広島ですが、これはうれしかったです。私は戦時中~占領下の印刷物に関心があり、昭和17~19年くらい、あるいは戦後も昭和21年以降のものは幾らか手に入れています。しかし昭和20年の印刷物は持っていませんでした。裏表紙の広告もなかなかのものでしょう。「B29 B32 何でも來い 備へは萬全!我に貯蓄あり 富國徴兵」、「強力メタボリン錠」は今ならまず売れないネーミングですね。

 お店のダンボール箱に詰め込まれた古本・古雑誌の中からこれの一部が見えた時、一気に胸が高まりました。昭和19~21年くらいの雑誌は見るからに違います。紙はザラザラ。印刷は悪くて、紙をケチっているせいか、字は恐ろしいほど小さいく、びっしり詰まっています。ペッタンコの薄手で、日に焼けた新聞紙よりも粗末な印刷物の束。骨董市や古書店では明治や大正の本を見かけることがありますが、時代は古くても保存状態の良さは比べものにならない。紙の質そのものがまるで違うのですから。たぶん日本の歴史上最も哀れな印刷物、それが戦争末期から戦後すぐの雑誌ではないかと思うのです。昭和17年頃の雑誌も紙はザラザラ化してますし、戦後も24年頃まではザラザラです。でもほんの少し違うんです。手が真っ黒になるような雑誌の山の中から、あ、これは22~23年にはなってるかなとか思います。この時代はモノの質が1年1年悪くなり、そして良くなるんです。

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 黒と言っても、真っ黒ではない、黒い色さえケチったぼおっとした黒一色の中で、ここだけほんのちょっぴり色がついています。敵機がどこから侵入してくるかを言っているようですが、しかし読者にどうせよと言うのでしょう。
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 読者コーナーの名前がなんとも時代を表しています。読者の投稿文もまあ、クソまじめなことといったら。

この雑誌、値段は45銭です。ちなみに今回私が買った値段は100円!こんなすごい時代の証人が100円です。骨董&アンティークin広島バンザイ!
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by touhen03 | 2009-05-17 01:03 | 骨董市・ガラクタ