砥部焼タイプの陶片

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 今回も出ました、銅版転写皿で重ね焼きの痕(目跡)のあるもの!有田や瀬戸、多治見など大窯業産地では銅版転写が普及する明治後半以降、目跡は普通なくなるのですが、愛媛県の砥部町で焼かれた量産食器には昭和になっても、ゴム印皿にさえ目跡があります。地理的に近い広島にはかなり入ってきていたようです。全体的につくりが雑で、銅版転写もズレたり、かすれたりが激しいです。裏にも特徴があって、高台が微妙に歪んでいたり、ろくろの痕が目立ちます。幾つも見て慣れるしかないのですが、この陶片は特徴がよく出ています。砥部だけの特徴かどうか、私は今のところ知らないのですが、この手のものを砥部焼タイプと呼んで私は区別しています。この月と星のデザインは鞆でも拾っています。銅版転写のデザインで産地を特定することは難しいそうですが、しかし、砥部に比較的多いデザインというのはありそうな気がします。

砥部焼といえば、大きな唐草模様をあしらった器など、温かみのある素敵な食器が知られていますが、戦前、食器を海外に輸出していた時代がありました。伊予ボールと呼ばれ、粗製の安価な雑器でしたが、現代の目から見ると、手作りとか、民芸調とか呼ばれるものより、むしろ素朴な良さを感じます。「近代のくらわんか」だと思っています。もっと光があたるといいなと思います。
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by touhen03 | 2010-04-29 22:10 | 似島