陶片混じりのゴミを描いた絵葉書

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 これは戦前に描かれたゴミの中の陶片です。
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 最近手に入れた古絵葉書に、なんと陶片混じりのハケの絵がありました。作者は佐々木千早、「芥」という題で、日本自由畫壇第七回展覧會出品とあります。この絵が写実なのかどうかはわかりません。しかし、すくなくともモデルとなった場所があるのではないかしら。海岸のゴミ捨て場ではなさそうですね。生ゴミも混じってますから、よい臭いもしそうですが、このまま何十年も時がたてば、魚の骨も、他の生臭いものも消え去って土となり、陶片だけが艶々と残るのでしょう。この先もゴミ捨て場であり続けたなら、陶片は折り重なって溜まり続け、宝の山となることでしょう。

 素晴らしい絵を描いた佐々木千早ってどんな人なのでしょう。とりあえずネットで検索してみましたが、同じ日本自由畫壇の第八回展覧会出品の絵葉書が見つかっただけでした。日本自由畫壇とは大正8年に池田桂仙らが、帝展に対抗して結成したそうです。この絵は今どこにあるのでしょう。こうして絵葉書にもなったくらいですから、個人蔵となっていなければ、どこかの美術館に展示されているのでしょうか。
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 今でも美術館の企画展では絵葉書が売られていますが、この絵葉書も展覧会に伴って売られたのかもしれません。日本自由畫壇の展覧会がもしも毎年一度行われたとすると、そして第一回が大正8年なら、第七回は大正14年ということになります。年代については絵葉書自体からもある程度わかります。宛名の側を見てみますと、通信欄が1/2で、「きがは便郵」ではなく「きかは便郵」と濁らない表記です。これは大正7年~昭和7年頃の特徴だそうです。切手を貼る部分に蔓バラがあしらってありますが、この手のお洒落なデザインは大正時代に多いようで、昭和になるとだんだんシンプルになっていきます。大正末期という線はこの点からも矛盾がありません。

 この陶片ハケはたぶん、今から80年以上前に描かれたものです。今頃は陶片をたっぷり含んだ豊かな土となっているかもしれません。どこにあるのでしょうね、これ・・・
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by touhen03 | 2010-05-27 23:38 | 骨董市・ガラクタ