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オールドノリタケ、大正浪漫のコーヒー皿

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 前回の記事でちょっとおもしろいモノと言いましたのがコレです。ノリタケの小皿、コーヒーカップの受皿のようです。でも、ただの白い皿。そうなんです、拾われた今では何も模様はありません。しかし、この手の高級洋食器は必ず日に当てて確認する必要があります。

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 ほら、これです。元はレースのような美しい模様があったのです。高級洋食器は丁寧に上絵付けされていることが多いのですが、本焼きの時に絵付けされた釉下の染付と違って剥がれやすいため、干潟や川で過ごしているうちに、たいてい薄い痕跡だけ残した白い食器になってしまいます。

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 裏印の部分です。ヤジロベー印と呼ばれているこのマークはノリタケの代表的な裏印の一つで、中でもこのタイプは「オールドノリタケ コレクターズガイド」木村一彦&葵航太郎著 トンボ出版によりますと、大正元年以降、国内向け食器に使われたそうです。この皿にはさらに意匠登録の番号がついています。これも上記の本に(ノリタケについて知りたいならこの本です!)意匠登録された年代2000~100000(明治37年~昭和18年)が載っています。この皿の番号は欠けてしまっていますが、私が持っている他のノリタケ陶片等の裏印の文字の配置と比較して、意匠登録番 第2607●号(号は旧字)だろうと思います。26000番台は大正14~、30000番台になると昭和元年の登録となるそうです。意匠登録の番号=製造年というわけではないそうで、この皿自体はひょっとしたら昭和初期くらいに作られた可能性もありますが、いかにもお洒落で繊細な、大正浪漫のコーヒー皿というわけです。



「平城宮跡を守る会」http://narapress.jp/hjk/
by touhen03 | 2013-05-12 06:30 | 広島の島