外国航路の記念品

e0060485_23444648.jpg

e0060485_9303021.jpg

 さて、江南干潟で一番の拾いモノはこれ。手のひらに乗るほどの小さな一輪挿しです。とても薄くて、端の方に吹き墨で富士山らしい模様が入っています。そして・・・

e0060485_23484436.jpg

 日本郵船のマークが入っていました。ネット上で検索して見ますと、船の乗船記念品の中に、よく似たものが見つかりました。深川製磁製で、底には深川製磁の富士山に流水のマーク入りです。そこで日本郵船に問い合わせてみましたら、日本郵船歴史博物館からお答えを頂きました。

 日本郵船では昭和5年~15年にかけてサンフランシスコ航路、シアトル航路、欧州航路に幾つもの客船を就航させていて、私の拾った一輪挿しも、その頃、乗船記念品として一等船客に配られたものだそうです。博物館の所蔵品も深川製磁製でした。乗船記念品には一輪挿しの他にも、刀の鍔型や船体型の文鎮、ペーパーナイフ、富士山の絵入り小皿、深川製磁製の筆立て等もあり、英文説明書も添えられていたそうです。

e0060485_9363128.jpg

 博物館の資料などを参考に全体の姿をイラストで復元してみました。私の拾った陶片は残念なことに、絵の大部分と底が欠けていて富士山に流水マークを確認することはできませんでしたが、おそらく深川製磁製だろうと思います。広島湾の島の、干潟の泥の中から、外国航路の旅の思い出が出てきたというわけです。

 今回の江田島市江南~飛渡瀬の陶片拾いシリーズはこれで終わりです。ここは江戸中期から昭和にかけての陶片がバランスよく出てきました。江戸時代の陶片の割合が高かった宮島、ときどきかなり古いものが出た鞆などと比べると、出てきた陶片の時代は若いのですが、陶片の数が非常に多い点、保存状態がかなり良い点、統制番号入り陶片が多く、軍関係の陶片が出てきた点は似島の長浜海岸とよく似ています。これから何度も通うことができれば、海軍関係、統制番号陶片と戦時下の代用品、図変わり印判食器や、伊予ボール時代の砥部焼などを中心に期待できるかなと思っています。


「平城宮跡を守る会」http://narapress.jp/hjk/
[PR]
by touhen03 | 2013-06-19 05:55 | 広島の島