代用品の分銅 その2

e0060485_7233422.jpg

 この陶製分銅、長年同じ引き出しの中にあったのですが、最近、これの元になった金属製の分銅が手に入ったため、それと一緒にして専用の箱に移しかえたのです。しばらくして箱を開けてびっくり!中は砂だらけ。そして一番大きな分銅の背中に穴が開いていました!ひえ~、なんだ、これ!

e0060485_735218.jpg

 実は分銅の中に、こんなモノが入っていたのです。なるほど、陶磁器で分銅を作るって実は大変なことだったのです。分銅ですから、その重さは正確でなくちゃなりません。しかし陶磁器は焼くときに収縮しますし、多少の誤差はたぶん出てきますよね。そこで陶製分銅の中に重さを調節するためのモノを入れたのだと思います。たぶん(^^ゞ。あらかじめそれを入れる穴まで作って。背中の丸い刻印は何かのマークなどではなく、中身が出ないよう接着剤で止めた蓋だったのです。この棒のようなモノは磁石にくっつきませんし、たぶん鉛かな。そして黒い砂ですけど、私はこれを見たことがあるぞ!と思いました。鎌倉の稲村ケ崎や種子島や北海道の海岸で拾っていたからです。

e0060485_7475816.jpg

 やはりそうでした!砂鉄です。ちゃんと磁石にくっつきました。これ、ただの砂じゃいけなかったのかしら。代用品に密かに鉄使っちゃって。重さが一定していて便利だったのか。海岸で拾った砂鉄混じりの砂を磁石で集めたことがありましたけど、大きさも粒ぞろいでしたっけ。

 うーん、戦時代用品の奥は深いです。こうまでして代用品を作らなくちゃならなかったのですね。元になる分銅はまさに金属の塊。これを代用品でという気持はとてもよくわかりますけどね。中からモノが出てきた時は驚きましたよ。10年も知らずにいたのです。でも、サプライズって感じでなんだかうれしい。ここまで手間をかけて代用品を作るなら、いっそこの鉛(鉛と決めてかかっていますが)、仏像とか、サイコロの形にしてあったらより楽しかったのに。「臣道実践」とか「職域奉公」とか「一億一心」とか(面倒なのでそのままにしましたが、もちろん旧漢字で)文字を刻んでくれてもよかった。何のために?誰のために?・・・楽しいではないですか。もちろん何十年も後にこれを手にした私のためにです。



「平城宮跡を守る会」http://narapress.jp/hjk/
[PR]
by touhen03 | 2013-09-30 06:31 | 骨董市・ガラクタ