型紙摺りの陶片 その1 文明開化の青

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 瀬戸田町御寺の干潟は型紙摺り陶片の割合がとても高いのが特徴です。明治になってから大量に作られた型紙摺りの器。製塩業や北前船の寄港地としても栄えた瀬戸田には新しい時代の物資も大量に入ってきたことでしょう。型紙摺りの器の年代には一部大正~昭和のものもあり、地理的に砥部と近い広島の陶片は特に注意が必要なのですが、それでも江戸後期~幕末頃の陶片がたくさん出てきていますから、その隣り合った時代の器が大量に入ってきていることは想像できます。

 一方、世の中が江戸から明治になっても、庶民の暮らしはそうすぐに変わるわけもない。電灯よりも、洋装よりも早く、型紙で絵付けした小皿や飯茶碗は、貧しい家にも入ってきたのではないかと思っています。薄暗い台所の中に、この鮮やかな青い器は新しい時代の匂いを届けたことでしょう。型紙摺りの青は文明開化の色だったのかもしれません。中段左端の皿の高台内には墨書の跡があります。



「平城宮跡を守る会」http://narapress.jp/hjk/
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by touhen03 | 2014-07-21 00:21 | 広島の島