歌声喫茶の歌集 その2

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 西国街道の松の件で中断していた歌声喫茶ネタ。再び取り上げます。今回は歌声喫茶「灯」の歌集です。あのパンフレットの店が出した歌集です。今も続いている、このお店に問い合わせた結果、第1集の赤い冊子が昭和31年のものと判りました。以下、第2集(緑)、第3集(青)、第4集(黄)、第5集(紫)となります。

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 写真は第4集ですが、すべての冊子にところどころ挿絵が入っています。歌集のサイズは以前紹介した「どん底」の歌集とよく似ています。「どん底」の歌集と「灯」の歌集5冊、掲載されている歌は共通した特徴があります。当時の歌声喫茶ではロシア民謡が好まれたそうですが、確かに目立ちます。労働者の歌、社会主義への夢も歌われてます。お隣の国の歌もあります。そして日本の童謡、民謡、文部省唱歌のたぐいはもちろん多いです。ヨーロッパやアメリカのよく知られた歌も入ってます。一番の共通点は・・・真面目なことです。エロとか、お下品なもの、恋しか頭にないようなもの、若者のくせに未来志向でないもの、退廃的なものはどうやら、存在しません!このあたり、戦時下の雑誌と少し似ています。純粋さが。

灯歌集5冊の中の、今の時代から見て面白そうな歌を取り上げて紹介したくなりましたけど、そうやって特徴のあるものだけをピックアップすることで、歴史はささやかに歪んでいくような気がしますので、かわりに第1集に掲載された歌の題をすべて上げてみます。

「灯歌集」第1集
灯/しあわせの歌/若者よ/我等の仲間/カチューシャ/トロイカ/草原情歌/川岸のベンチで/おゝブレネリ/おゝ牧場はみどり/気のいいあひる/トラジ/どじょっこふなっこ/五木の子守唄/赤とんぼ/もずが枯木で/ぼくらの歌/建設/美わしき吾が故郷/死んだ女の子/泉のほとり/エルベ河/ヴォルガ下り/バイカル湖のほとり/黒い瞳の/草原に/流刑人/船のり/スワニー河/埴生の宿/麦畑/歌もたのし/私はドクトル/いちご/村祭り/シュワジェヴェチカ/かっこうワルツ/雪山讃歌/囚人の歌/ごきげんよう/禁じられた遊び/牧師とどれい/どっこい生きてる/手のひらの歌/東京-北京/世界の青春/祖国/アバンティポヽロ(人民よ進め)/ラ・マルセーユズ/全世界民主青年歌/原爆を許すまじ/泉のほとり

 興味のある方は題で検索してみてください。「建設」は楽団カチューシャと組み合わせると出てきます。「東京-北京」これだけだと格安航空券なんぞが出てきますけどね(^◇^) ♪美しい友情は東京-北京を結び 美しい心は世界をつなぐ~♪ そうありたいです。「泉のほとり」は2回載っています。なぜか1、2番と3、4番が分けて掲載してあるのです。♪泉に水汲みにきて~♪という、あの歌の3番を知っていますか。♪若い血は燃える 胸の火は戦う時も消えぬ人民の炎♪ってね。見開きで掲載しなかったのはなぜでしょうね。「ごきげんよう」リュパン曲 ♪もりもり富んで栄えるコルホーズ 鬼の地主はもう居ない~♪(4番の歌詞)。社会主義への夢が輝きを失っていなかった時代の歌集です。後の歴史を知っている立場から笑ってはいけませぬ。いつの時代も夢、妄想、プロパガンダ、勝手な偶像化、裏腹の集団的憎悪はあるようです。私たちだって、未来人からきっと笑われます。放射能や環境破壊や戦争で人類が滅びていなければ・・・ですが。

今年の8月6日の朝、広島は雨でした。歌集にも原爆の歌が幾つも載っています。




「平城宮跡を守る会」http://narapress.jp/hjk/
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by touhen03 | 2014-08-06 22:58 | 骨董市・ガラクタ