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干潟の保命酒瓶たち

鞆の海岸からは、大量の陶片が出てきますが、その中で圧倒的に多いのが保命酒の容器です。
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2日間拾った結果ですが、狸の形をしたタイプの徳利だけで、これだけありました。
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もとはこんな形をしていました。「保命酒屋」さんのコレクションです。
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狸の顔、手、お腹、尻尾、そして底、いろいろなパーツで出てきます。左上にあるのは狸が被っていた笠で、盃を兼ねています。
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狸徳利の内部はこんな感じ。型に粘土を入れて半分ずつ作り、あとで貼り合わせた跡が残っています。最初は備前で作られたものが、後には丹波で焼かれるようになったとか。他の産地のものもあったのでしょうか。外側は似ていても、内側の土や断面を見ると、幾つかに分類できそうです。下段左端のものは、今回一つだけ、中に釉が掛かっていました。
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これも保命酒の瓶です。臍徳利と呼ばれるタイプは徳利の胴をへこませて、そこに大黒様などを貼り付けています。いろいろな産地で作られたようです。小さな角瓶は備前だそうです。

これらの大部分は、内側の様子から、たぶん戦前の、ある程度古い保命酒瓶のようです。中に少し、新しいのではと思える破片も混じっています。この先、もう少し知識がつけば、江戸時代のものを見分けられるようになるのではと思っています。
by touhen03 | 2006-06-20 23:49 |