2007年 10月 04日
9月24日の鞆 その4
本業敷瓦は宮島でも時たま見ることがありましたが、なにしろ大きくて、塊で出てくると重たいし、生地がザラザラで水分をよく吸うため生物にとって心地よいらしく、フジツボだの、緑色の藻のようなもの、真っ黒いカビのようなもので覆われやすく、後の処理が思いやられて、これまで長い間、拾わないできました。ところが鞆の干潟では、この本業敷瓦の破片が実に多いのです。小さな破片も多く、これくらいなら持って帰っても困らないと拾っているうちになんて美しいのだろうと思うようになってしまいました。鞆には国の重要文化財に指定されている太田家住宅があり、その風呂場や便所にも、この美しいタイルがたっぷりと使われていて、これを見ると一層、本業敷瓦の破片は鞆の一部のように思えてきました。