瀬野川河川敷骨董市 その2 学徒動員の札

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 今回の河川敷骨董市で、もう一つ買ったのがこれです。学徒と書かれた札、粗末な厚紙製です。業者の方によると、胸につけたものだそうです。裏には、高等科1年当時の(廿年四月ー八月)思い出のしるし 動員(高人?岩国)と記されています。高人?とは何か、よくわかりません。岩国、これは山口県岩国市のことでしょう。少年兵のものです。 高等科1年と言えば、12~13才ではありませんか!私の父も同じ年に14才で少年兵だったのですが、それよりも幼いわけです。あの戦争で最も若い日本兵だったはずです。父はこれは貰った覚えが無いと言っていました。思い出のしるしとありますから、生きて戦後を迎えることができたのでしょう。お祖父さんの遺品を整理した時に、他の雑多なものと一緒にこれも混じっていたのかもしれません。

 これを見た時、買うかどうか、実は躊躇しました。名前も知らない、どこかの男性が、きっと一生大切にしていたものに違いないのです。買ったからには、保存の責任がありそうです。子供まで戦争に駆り立てた異常な時代ですが、その時代を生きた人にとっては、青春の思い出でもあったはずで、今の価値観で切り捨てることのできない部分もあります。気分的に重たいかなあと、一度は買わずに市を後にしたのですが、やはり戻ってきてしまいました。再び欲しいと思っても手に入るものではなさそうです。こんなものは高いと言って値切りにくいなあ・・・と思いながら、値段を聞きましたが、やはり案の定、言い値の1000円で買うことになってしまいました。


この札、学徒という文字から、私は学徒出陣が頭に浮かび、少年兵のものだと思い込みましたが、九州の昭ちゃんさんから、学徒動員で工場で働いた時のものだと教えて頂きました。また、八女の山下さんから、高人?岩国は、帝人岩国だろうと教えていただきました。なるほど、そう言われて見れば、帝人岩国に見えます。なるほど、なるほどです。お二人のおかげで、この小さな紙の札の素性がわかりました。ありがとうございます。当時の子供たちは、未来のための勉強をする代わりに、戦争のために働かされたのでしたね。それでも日本の勝利を信じて一生懸命だった、若い日の思い出だったのでしょう。買ったときの想像とは違いましたが、大切な資料だと思っています。この記事の題、「少年兵の記憶」は、そんなわけで、「学徒動員の札」に変更いたしました。

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by touhen03 | 2008-01-11 01:44 | 骨董市・ガラクタ