謎の蓋

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 今回も似島から出ました。行けば必ずこの蓋は拾えます。柔らかい器肌が海の生物にとっても心地が良いのか、たいていヤッコカンザシ?などの生物が付着しています。時には数種類の生物の宿となり、海藻までどっさり生えている場合も珍しくなく、長い間、できれば見なかったことにしたくなる陶片でした。しかし、無視しても蓋は出続けました。そのうえ似島以外からも出てくるのがわかりました。ついに私は根負けして?集めはじめました。

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 これは似島、宮島、鞆、天満川などで拾ったものですが、共通しているのは、どこか古瀬戸を連想させる同心円状の模様、明るい色の土と柔らかい器肌、中央に凹みのあるツマミがついていること、蓋の裏側の中央部分の釉が剥げているものが多いことです。また蓋の側には本体と合わせるための縁や突起などはありません。時代も江戸なのか近代なのか、これを見ただけでは私には判りませんが、似島でこんなにたくさん、それも大きな破片で出るところを見ると、近代のものではと想像しています。

 ただ不思議なのは、いまだにこの蓋の本体が判らないことです。少なくともアレでは?とピンとくる形で出てきていないのです。粉々になっているのでしょうか。それともこの蓋を連想することができない意外な姿をしているのでしょうか。これだけよく出る蓋なら、たとえ粉々でも、意外な姿でも、何だろうと思うほど繰り返し出てきてもよいはずなんです。

 ところが今年の3月、私の陶片を見に来られた方が、この蓋を見るなり「骨壷の蓋では?」と言われたのです。ただし、すぐに、よく判らないと、それ以上はっきりしたことはおっしゃいませんでした。この方は以前、瀬戸の窯跡の取材などもされていました。陶磁器について詳しくないと言われてはいましたが、いろいろな場所で取材をされてきた方の直感は一応気になります。非常にあやふやな情報ですが、なんらかの情報が集まるかも・・・とあえて書いてみました。そんなわけで、今ではこの蓋、あれば必ず拾うことに決めています。

※ beachcomberjpさんから、陸地のハケで見つけた同じタイプの陶片写真を見せていただきました。どうやら私も時々見かけた、縁が玉縁になった地味な破片が本体の可能性が高いようです。やはり骨壷の蓋ではなさそうです。でも、まさか・・・骨壷!?という思いがエネルギーとなり、地味なこの陶片の素性が一気にわかったのですから、見に来てくださった方にも感謝です。これから、その目で拾ったり、すでにコレクションしているものを整理しなおしたりして、またこのテーマで書ければと思っています。皆様ありがとうございました。
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by touhen03 | 2008-05-29 01:17 | 陶片コレクション