陶片川流域紀行

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人跡未踏のジャングルの川を丸木舟に乗って下り、やっと人家の見えるあたりにたどり着きました。乾パンやチョコレートなどの非常食料も底をつき、ここ数日は川で獲る小魚だけで飢えを凌いでいましたが、やっと食料を手に入れることができそうです。
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このあたりの川岸に生える植物の根元には、陶片魚が棲みついていて、小さな陶片を紐で結わえて、そっと水面近くに垂らせば、うまくやると食いつきます。岸に上がって鍋にして食べると大変美味でした。
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写真右の茂みの下には、この川の主かと思うような巨大な陶片魚が潜んでいるようでした。
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丸木舟に乗った私の頭の上を車が・・・(^^ゞ

実は家の近くの小さな川なんですけど、歩いてみると、道の上から見たのとはまるで印象が違います。人間に徹底的に管理された町の中の小川でさえ、ドキッとするような野生があります。腰をかがめて、視線を低くしてみると、人間の目の届かない世界があるんです。今時分は日が長いので、夕方歩くと、ちょっと陰影が濃くて、陶片川の妄想を楽しめます。
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今日の畑賀川は雨の影響で水嵩があり、いつもの半分くらいしか歩けませんでした。陶片もほんの少しです。江戸陶片9、明治~昭和戦前の印判8、ままごとの器1、ノリタケ1、絵の具のパレットの破片1、昭和の盃1、統制番号入り1、昭和の陶片2、不明2、計26個でした。陶片川などと言いましたが、とくに古いものや珍しいものが出るわけではないし、陶片は多くても、小さな破片が大部分です。でも不思議なことに、宮島で滅多に出ないような素晴らしい陶片を見つけた時の喜びと、この川で、小さな江戸陶片を探し出した時の喜びに、実はそれほどの差がないのです。川の水の中から拾い上げた小さな陶片は、陶片魚の鱗のような気がします。
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by touhen03 | 2006-05-31 01:11 | 海田町の川

エマさんのブログ、エマのbeachcombingⅡで、戦前の絵葉書と漂着物を組み合わせておられましたが、今回はその真似をしてみました。
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まずは罫線のある宮島の絵葉書(大正半ば~昭和初期のもの)と、18世紀の皿の破片を使って絵日記風の構成にしてみました。

一番大きい陶片は、私が宮島で最初に拾ったものの一つです。「漂着物事典」(石井忠著)のイラストや、雑誌の写真で見た江戸時代の「くらわんか皿」にそっくりだけれど、まるで昨日まで使われていたかのような、はっきりとした呉須の色、つやつやとした表面。本当に古いのか疑いながらも、現代のものとは違う厚い断面、ずっしりとした手触りに、一度で心惹かれたのを覚えています。あれから10年、宮島の干潟は、泥の中に貴重な宝石の鉱脈を含んででもいるかのように、珍しく美しい染付や青磁、唐津や土器の破片をいつでも惜しみなく与えてくれました。泥の中から拾い上げ、ぽってりとした釉薬や、ザラザラとした陶器の肌に触れた時、器を作った職人さんや、使った持ち主さんと一緒にいるような気がします。藁で梱包されて千石船に積まれた時のことを想像します。掌一つ分のタイムマシン、陶片。エマさんのブログで見た、古い絵葉書と陶片の組み合わせは、時代的には大きなズレがあるにもかかわらず、陶片との出会いの瞬間をちょっと連想させました。
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こちらは観光地のお土産風にしてみました。宮島の海岸は、とても賑やかな場所です。干潟のすぐ近くまで、お土産屋さん、喫茶店、食堂、焼きトウモロコシや焼きイカの屋台などがあります。観光ガイドさんの旗、修学旅行の集団で溢れています。戦前から今に至るまで、宮島の観光絵葉書も作られ続けています。そして、そんな場所で、ほとんど知られることもなく、干潟に古い陶片は散らばっています。絵葉書は、こちらも大正半ば~昭和初期のもの。陶片は左端の豆皿は18世紀の伊万里、真ん中は中国陶磁、右端は最初の写真と同じ陶片です。

絵葉書と陶片の組み合わせは楽しかったですけど、これ、実際にやってみると、妄想を表現するってけっこう難しいものですね。1回で疲れてしまいました。もういいや・・・って感じです。
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by touhen03 | 2006-05-29 01:15 | その他

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今頃になって、大発見でもしたように感動するのもおバカな気がしますが、でも書かずにはいられない。ブログって素晴らしいです。私にとって、ホームページビルダーを使ってさえ、ホームページ作りは大変でした。初めて陶片窟をアップした時や、大幅に更新した時なんて、その後膀胱炎になったり、気管支炎になったり・・・なにを大袈裟なって、でも、ほんとなんですもん!決定的なのは、ブログは仕事から帰った後や、仕事に出かける前にチャチャチャと書き込めるということ。普通のホームページ作りだと、仕事前にやろうものなら、その日は疲れて仕事休まなくちゃならなくなります。

でも一番ありがたいのは、ブログのいろいろな使い道です。非公開にもできるので、集めた陶片の整理用に使えます。公開だと写真をきれいに撮らなくちゃいけませんが、実は私、写真を撮るのも苦手でヘタなんです。非公開なら、私さえ判れば、どんな写真でもいいし、フラッシュでテカテカに光ったヤツでも使えます。仕事から帰った後、電灯の下で作業ができるんです。どんどん撮って後はブログに放り込めばいい。掲載した写真はその一つです。ちょっとだけね。(^^ゞ 有田の川から出た17世紀半ば~後半頃の比較的早い時期の伊万里です。

これまでは陶片を手に入れると、まず番号を振り、採集地と年月日を書いたシールを貼り付け、それを一つずつ簡単なイラストにし、後は収納する引き出しごとに分類し、細かい部分は私の頭の中でした。そんな原始的な方法でも、好きなことは細かく覚えているものですから、十分やっていけました。

ところが、だんだん陶片も増え、今までのやり方では整理が追いつかなくなってしまいました。広島湾だけでなく、有田の川などから一度に大量の陶片を持ち込むようになったのも大きな原因です。また、ありがたいことに、多くの方から陶片を頂くようにもなりましたが、実は、自分で拾ったものは平凡な陶片でもガチッと頭にしっかり焼きつくのに対して、大切で貴重な資料にもかかわらず、頂き物陶片の場合は、それがやや弱いのです。自分で拾うことのできない場所のかけがえのない資料にもかかわらず、未整理の状態になりがちでした。

陶片の一つを確かめたくなった場合、一々収納している箱から、他の陶片を壊さないよう用心深く取り除けて取り出す必要がありますが、離れの部屋に置いてあるので、夜など玄関から外に出なければならず不便でした。データベースのようなものがあれば、それを見るだけで済む場合もあります。また、実物の陶片は美しくて魔力があり、喜びの源泉のような存在で、そのうえ一つ一つが情報のカタマリですから、つい、いろんな部分に目がいってしまいます。陶片の入った箱を取り出したはいいけれど、ついいろいろ見てしまって、気が付いたら時間がやたらにたってしまっています。それは無駄な時間ではないのですが、目的がある場合はちょっと困りものでした。その点写真ですと、まっすぐ目的に向かうことができます。そんなわけで、コレクションのパソコンでの管理は最優先課題だと思わざるを得なくなってしまいました。それにブログが最適だったのです。最近は暇さえあれば、陶片をパソコンに収納する作業に没頭しています。

まだまだ数ヶ月はかかりそうですが、私の陶片をすべてパソコンに収納する作業が終わりましたら、ほとんど休眠中になっている陶片専門ブログを使って、頂き物の陶片なども少しずつ紹介していきたいと思っています。ブログは「海岸陶片概論」的なものの表現には向かない部分もありますが、それ以外はほんとうに助かります。おまけに幾つブログを持っても無料!細かいデータベース作りが苦手な私でも、目的毎に分けた資料室ブログを作ってしまえばいいんですもんねえ。これを発明した方々に心から感謝しています。
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by touhen03 | 2006-05-27 09:38 | 陶片窟&別館ニュース

陶片鳥です

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福岡から、陶片鳥の情報が入ってきました。唐草鳥属ではありませんが、同じ陶片鳥科の長角鳥属の珍しい写真を頂きました。左は海岸に群れでいる長角鳥たち。親鳥と、巣立ち前の若鶏かもしれません。右は、たぶん庭に飛来した瞬間を捉えたものでしょうか。長角鳥の食性は謎ですが、椿の花を食べに来たのではないかと思います。長角鳥たちの産みの親、田代さんにお許しを貰い、貴重な写真をお見せすることができました。
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田代恒雄さんは、鳥の詩 田代恒雄<流木造形>展 で、こんな作品を発表されています。頂いた陶片イラスト入り絵葉書と一緒に、ちょっとご紹介します。
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by touhen03 | 2006-05-25 00:17 | その他

東洋平和

この前の宮島行きで拾った陶片の中に、見込みに東洋と書かれた銅版転写の小皿がありました。これ、実は以前に宮島で同じタイプのものを拾っています。それで東洋平和と書かれていたことが判ります。
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同じくらいの大きさのようですが、比べてみると縁の雷文っぽい模様の幅が違います。同時に捨てられた同じシリーズの皿というわけではなさそうな気がします。またどこか別の場所で出てくると面白いのですけど・・・みなさま、これを見つけたらぜひ教えてくださいね。銅版転写で模様が印刷されていますので、時代は明治~昭和戦前くらいです。平和って言葉からは、つい戦後を連想しますけど、この言葉、戦前だってもちろん使われています。下の絵葉書は、大正11年の平和紀念東京博覧会の平和の塔と、会場全体の様子です。
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平和教育、平和を守ろう・・・平和という言葉は社会の中で溢れ、珍しくないことでつい安心してしまいますけど、戦前だって平和の塔くらいあったのです。そういえば、平和のためにと言って人間は戦争をしてきましたよね。
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by touhen03 | 2006-05-21 11:04 | 陶片コレクション

宮島の隅っこ

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宮島の干潟の大鳥居の周辺はいつも人でいっぱいです。日本中を見回しても、海水浴シーズン以外の季節に、いつでも人だらけという場所は珍しいと思います。そんな宮島ですが、干潟の西の端まで、ほんの少し歩いただけで、急に静かな世界と出会えます。この奥には弥山の原生林があります。宮島水族館のすぐそばですが、ここまで来ると、風向きによっては、潮の香りの中に、松の木や、山の土の匂いが混じります。山肌の匂いと潮の香りが混じり合う、広島湾の島の匂いです。
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こちらは宮島の商店街。宮島で最も賑やかな場所の午後6時30分です。夕方になると、まだ明るいうちから、どんどんシャッターを下ろしてしまいます。わずか2~3時間前には、ゾロゾロ人で溢れかえっていたのが嘘みたいです。鹿も、日中はいろいろと期待する心もあるようで、美味しいものを持っていないか、じっと人間観察に余念がなかったりするのですが、この時間には所在なさそうにしています。
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by touhen03 | 2006-05-18 01:58 | 宮島

宮島の土石流 その後

去年2005年9月6日の台風14号は、宮島に土石流の被害をもたらしました。干潟にも河口から大量の泥が流れ込み、分厚い層をなして、宮島水族館の後に広がる部分を覆い尽くしました。干潟は一変し、泥に足を取られて歩くのも大変で、多くの人の記憶から薄れた後も、陶片一つ見つからない状態が何ヶ月も続きましたが、それでも拾いに行くたびに、少しずつ以前の状態に近づいてきました。今では陶片もボツボツ出るようになり、ちょっと見ただけでは被害がわからないくらいになりました。干潟を流れる川の水も以前のように澄んできました。それでも歩いてみたら、以前に比べてずいぶん泥が深いのがわかります。歩いた足の感覚に、自然災害の凄さを感じます。
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今回、この地点から出てきた陶片です。
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by touhen03 | 2006-05-18 01:16 | 宮島

稚貝の養殖場

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宮島の干潟の片隅にある、アサリの稚貝の養殖場です。たくさんの杭を打ち込んだ光景を以前から不思議に思っていましたが、たまたま働いている方に話を聞くことができました。これはエイから稚貝を守るためで、エイが入り込むのを防ぐための杭なんだそうです。昔はなかった被害で、温暖化の影響だそうです。

それにしても、鎌倉の海岸に漂着したエイの尻尾の骨を頂いたことがありますが、宮島でもそのうち拾えるかもしれません。
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by touhen03 | 2006-05-18 00:47 | 宮島

5月の陶片狩り

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4、5月は潮干狩りで干潟が掘り返されるせいか、宮島では毎年、海の蔵が開き、たくさんの陶片が出てきます。写真は14日の潮干狩りならぬ、陶片狩りの成果です。17世紀の波佐見あたりの上質な青磁皿らしい破片はうれしかったです。くらわんか碗、皿、唐津系陶器の大きなカケラがかなり出ました。近代陶片では、銅版転写で、東洋平和という文字が見込みにある皿(ただし、東洋の部分だけ)、南蛮人っぽい人物柄の小碗も出てきました。

陶片の内訳は、土器(甕の口の部分か)1、灯明皿2、すり鉢1、17~18世紀の唐津系陶器7、江戸時代の青磁・青磁染付6、17~19世紀染付碗、蓋、皿、そば猪口、盃類22、18世紀の陶胎染付3、備前の蓋?1、明治頃の型紙摺りタイプ1、明治~昭和戦前の銅版転写5、ウイローパターン皿1、昭和のゴム印1、その他・不明6 計57個です。

個々の皿の一部は、陶片茶房、陶片専門のブログ両方で、近いうち取り上げたいと思います。
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by touhen03 | 2006-05-18 00:27 | 宮島

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フジツボに寄生されて真っ赤にただれた皮膚です。
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象のような足。象の皮膚を思わせますがフジツボで覆われています。夜行性で、真夜中に干潟をずしーん、ずしーん、ざぶん、ざぶーん、と歩き回るそうです。
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なーんて、宮島の大鳥居でした。(*^_^*)とにかくデカイ。ただそれだけで、いつも感動しちゃいます。この辺は陶片が少ないのですけど・・・
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大鳥居を真下から撮ってみました。こういう馬鹿げた角度からの写真は貴重でしょう?(でもないかな。もっと意外な角度から撮らないとね)
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5月14日、大潮の日。何年ぶりかで広島で貝毒が出たせいか、この季節にしては潮干狩りの人の数が少ないです。いつもなら波打ち際が人で見えなくなるほどなのですけど。
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by touhen03 | 2006-05-17 22:32 | 宮島