ガラス浮子妄想

 去年の漂着物学会、北海道大会は浮子と骨の世界だったように思います。なかでもガラス浮子の大量展示は圧巻でした。もともとは漁の道具ですが、たくさん見ることで、なんと美しい道具だろうと改めて思いました。
e0060485_2325971.jpg
 網掛けされたガラス浮子を透し、微かに格子模様になって水中に降り注ぐ光の中で、無数の魚が鱗を光らせていたのでしょうか。海に浮かぶ硬質の泡のせいで、水はいつもより一層キラキラと輝いていたに違いないです。

 北海道の大地からは、用済みになったガラス浮子がごろごろ出てくるそうです。廃屋に何十個もまとまって捨てられているそうです。きっと大地がガラス浮子で淡い色になるほどあるのでしょう。ガラス浮子の中には気泡がいっぱい詰まった玉があります。魚が最後に見た世界を閉じ込めてしまったのかもしれません。

 今年も漂着物学会の大会が今月27日と28日、種子島で開かれます。今年はどんな世界と出会えるのでしょう。今からワクワクしています。陶片狂も26~30日まで行ってまいります。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-24 23:53 | 県外の海岸と川

復元光線 その3

e0060485_2228430.jpg
e0060485_22282546.jpg
 今回拾ったのは真ん中の小さな破片です。左は10年くらい前、鹿児島県薩摩半島の吹上浜で拾ったもの。今回拾ったものはこれにそっくりです。右側は八幡川で以前拾ったもので、これも似たデザインです。これらは明治時代、美濃で作られた小皿で、岐阜県陶磁資料館の収蔵品目録にも「染付印刻唐獅子図小皿」という名で載っていました。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-24 22:39 | 広島市内の川

復元光線 その2

e0060485_2215892.jpg
e0060485_22152753.jpg
 幕末頃の大皿の破片で、小さな破片が、今回、八幡川から出たものです。大きな破片の方は鞆で拾いました。小片の裏側の模様も比べてみてくださいね。復元光線を照射しましたが、これは復元が不完全ですね。全体を復元するには、私がイラストでも描くしかないのですが、ごちゃごちゃ模様が複雑でなかなか描く気がしません。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-24 22:28 | 広島市内の川

復元光線 その1

e0060485_22474480.jpg
e0060485_2248436.jpg
 左側は宮島で拾ったもの。そして右が今回八幡川で拾った陶片です。あまりパッとしたものの無かった今回ですが、復元光線を当てて元の姿を推測しますと、これはこれで楽しいものです。模様はコンニャク印判(スタンプのようなもの)の井桁に蔦の葉です。「別冊太陽古伊万里」(平凡社)に、同じタイプが18世紀前半のものとして載っています。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-21 23:10 | 広島市内の川

八幡川 その4

e0060485_23474683.jpg
e0060485_2348396.jpg
e0060485_23481871.jpg
 今回は素焼きの小皿を一つ拾っています。時代は不明ですが、たとえば弥生時代などは、小皿そのものがほとんど無いそうです。小皿で食べる習慣が無かったのです。中世のカワラケとも違って、高台があります。そう古いものではないようです。江戸時代か???
[PR]
by touhen03 | 2007-10-20 23:49 | 広島市内の川

八幡川 その3

e0060485_2321863.jpg
 さて、また八幡川ネタです。八幡川の陶片は浅瀬にも砂の干潟にも転がっていますが、橋の下近くにもけっこうあります。このあたりまで来ると、小石まじりの小汚い泥となります。
e0060485_23121934.jpg
 陶片はどこでしょう。今回は少ない方でしたが、日によっては陶片だらけの時もあります。
e0060485_2316357.jpg
e0060485_23162957.jpg
 さてハイター風呂から上がった江戸陶片です。18世紀~幕末といったところです。下段右から2つ目は江戸モノの中に入れてしまいましたが、もしかしたら近代かも。ちょっと迷う陶片でした。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-20 23:23 | 広島市内の川

新ブログのご紹介

八幡川シリーズの途中ですが、新ブログ「陶片窟の基礎講座」を先ほど公開いたしました。

これから陶片を拾ってみようかなと思っている方のためのブログです。最初の陶片との出会いを良いものにし、陶片好き人口を増やそうと思います。基礎講座だなんて、なんだか偉そうで、別の題をいろいろ考えたのですが、ブログの目的が判りやすい点を優先しました。(^^ゞ
[PR]
by touhen03 | 2007-10-17 23:37 | 陶片窟&別館ニュース

八幡川オーロラ

e0060485_771062.jpg
 夕方、八幡川の空にミルク色の光の帯が現れました。北極圏でもないのに不思議な現象なのですが、私はこれを見たくて待っていました。そろそろ潮が満ちてきた干潟ですが、気がつくと私の他にも何人か、影のように立ち尽くして空を見上げています。静かにカメラを向けている人がいます。川土手にも八幡川オーロラを見ようと出てきた人達の姿が見えます。この季節の晴れた日が一年中で一番よく見られるとはいえ、これほどくっきりミルク色が広がるのは最近では珍しいようです。突然、光の帯の間から無数の羽毛が降り始めました。ふんわりと頭や肩や腕、背中、体中にまとわりついてきます。これは昼間、空に漂っていた鳥の羽毛が、気温が下がることで結露し、いっせいに降ってくる現象なのです。音も無く舞い落ちる羽毛に付いた小さな水滴が夕陽の中で虹色に輝くこともあり、それは美しいのですが、実際に八幡川に来て空を見上げなければ、とても写真では伝えきれないのが残念です。
e0060485_894235.jpg
e0060485_8235189.jpg
 八幡川オーロラが見られるのはほんの一瞬です。後には名残りの羽毛が水際に数え切れないほど浮いています。
e0060485_826869.jpg





e0060485_8271045.jpg
 これが八幡川オーロラの正体です。比較的きれいに見える八幡川ですが、汚い澱みもあります。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-14 08:40 | 広島市内の川

 久しぶりに八幡川へ漁りに行きました。八幡川は広島市内を流れる大きな川ですが、野鳥の多い場所として知られています。野鳥の会のパンフレットを見ると、上流にはカワセミもいるそうです。
e0060485_0262228.jpg
e0060485_0265649.jpg
 いろいろな種類の鳥を見かけたこともありますが、今回はカモメの仲間とカラスくらいでした。でも、見てください、この数!
e0060485_038436.jpg
 私が近づいたので、干潟中の鳥たちが一度に飛び立ちました。ああ、そんなに嫌わないでよ。苛めたりしないのに。カモメさん達の足元には、白い羽毛に混じって、美しい陶片が転がっているんです。のんびり浮かんでいた流れの底にも、陶片が沈んでいます。
e0060485_0532254.jpg
e0060485_12467.jpg
 よく見ると水の澱んだ場所もあり、そんなに水質が良いわけでもなさそうですが、ゆらゆら光の破片の中での陶片拾いはほんとうに楽しいです。土の上も、水の中も、ここはとても歩きやすいんです。
e0060485_162557.jpg
 さて、今回の収穫です。八幡川としては陶片の数も少ない方でした。ただ土師質の小皿が出ました。江戸時代の染付もそこそ出ていますね。

これからしばらく八幡川の記事が続きます。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-13 01:25 | 広島市内の川

 畑賀川は、ここ1年くらい、どういうわけか水量が増え、気軽に歩きにくくなりました。それでも晴天続きの水嵩の少ない日を選んで、久しぶりに雑魚(陶片)漁りです。
e0060485_20445249.jpg
 この川は見かけよりも流れのきつい川で、こんな小川のくせに昔は水害を起こしています。私の若い頃にも大雨で土手を1/3くらい削ったことがありました。佐賀県の有田の川も同じような規模ですが、水が膝近くまであっても歩けます。ところが、この川は膝まで水がある時は歩けません。私にとっては、疲れずに歩けるのは水嵩がふくらはぎまでの時です。
e0060485_2162654.jpg
e0060485_2164077.jpg
 この日は水嵩は大丈夫でした。ところが、以前と比べ歩きにくいのに驚きました。小石がぬるぬるとして滑りやすいのです。畑賀川はこの近くで瀬野川と合流するのですが、その瀬野川の川底に似てきました。ボロ傘を持ってきていなかったら、転ばずに歩くことなどできなかったと思います。見た目は特に変わったところもないのですが、水質が変わったのでは?と思ってしまいました。
e0060485_21155359.jpg
 最近海田町側は草刈をしました。向こうに見えるこんもりとした茂みのところから、たぶん広島市側なんだろうと思います。ここは海田町と広島市の境なのですが、こんな時に境界線がよくわかっておもしろいです。
e0060485_2121153.jpg
 いつもならこの先もずっと歩くのですが、この日は水が深くて諦めました。目の前を小魚の群れが泳ぎまわっていました。
e0060485_21231874.jpg
e0060485_21235866.jpg
 この日獲ったピチピチの陶片です。たまにはくらわんかの大きな破片が出ることもあるのですが、まあ、こんなものです。水質は良いとは思えないのですが、流れがあるせいか、ここで拾った陶片には、見た目ほとんど汚れはありません。(写真は洗った後ですけどね)上段左から4つ目までは江戸陶片のごく小さな破片と、幕末~明治の微妙な時期のもの、残りは明治~昭和戦前くらいの型紙摺りと銅版転写の器です。中段真ん中の陶片には案山子が描かれています。案山子の図案は戦前の器にはけっこう出てきます。身近な存在だったのでしょうね。
[PR]
by touhen03 | 2007-10-09 21:48 | 海田町の川