釣士田港の陶片 その9

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 食器以外の近代陶片にも、おもしろいモノが出てきました。上段左端は陶製おろし金。このタイプよく出てきます。統制番号がついていることもありますが、今回拾った上半分には無し。上段中央は二股ソケット、右端はたぶん菊型ローゼットと呼ばれるもの。少しサイズが小さい気もしますけど。菊型ローゼットは吊り下げ式の電灯の天井接続部分に使われたものです。

 下段左端は、底の形が鞆の干潟から出てくる容器とよく似ています。注意して拾っているものの一つです。中央は戦時代用品の陶製容器、右端はこれ、汽車茶瓶の底に近い部分です。小さな破片ですけど、特徴的なエンボス模様の部分がしっかり残っていてくれました。使い捨て容器だけあってとても薄いです。

 今回一回で拾った陶片は合計72個でした。



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by touhen03 | 2014-05-18 22:49 | 広島の島

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 湯呑だろうと思います。何かの表らしいです。年数はたぶん昭和の年号でしょうか。だとしたら、昭和22年に700円で、29年に3648円のものって、これはなんでしょうね。

 Yotazoさんから貴重な情報を頂きました。この破片、農協が出した記念品の湯呑のようです。「T.Uemiya Lab.log」というブログの2011年9月の記事によく似た湯呑が載っていました。湯呑の写真を見ると「明治後米一俵価格表」と書かれ、値段表の部分は横書きでした。記事によると、農協年金支給記念の湯呑だそうで、明治元年~昭和56年までの米一俵の値段が書かれているそうです。どうやら、このパターンの湯呑が昭和の後半にも作られていたわけです。米一俵価格表湯呑は繰り返し作られていたのかもしれません。

 ネットで検索してみますと、陶磁器ではありませんが、ヤフーオークションに「高蔵寺農協六十年史」(非売品)という本が出てきました。これに付録として「天明後米一俵価格表」1枚付きとありました。中身の写真はありませんでしたが、題が似ています。そしてこれも農協が関係しています。「米一俵価格表」というものを、農協が記念の本やグッズに繰り返し使っていた可能性があります。それがどうした・・・と言えばそれまでですが、なんだかおもしろいです。アンテナを立てていれば、そのうち「米一俵価格表」グッズが網にかかってくるかもと思っています。それにしても、こんなに早く正体が判明するとは思いませんでした。Yotazoさん、ありがごうございます。



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by touhen03 | 2014-05-16 20:34 | 広島の島

釣士田港の陶片 その7

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 明治から昭和のものまで各種いろいろです。上段左端はちょっとおしゃれな形をした鉢。たぶん近代だと思います。

 海岸でお馴染みのものもしっかり出てきました。上段中央の二つ、これは大量に陶片が出る場所に通っていれば必ず出てきます。小さい器のわりに裏表しっかり描かれていて、霊芝文模様、サイズから高台の形まで皆似ていますので、ある一定期間、大量に流通したのだろうと思っています。右端の型押し小皿も定番です。これは明治時代、美濃地方で作られたようです。

 中段左端は高台内に「東陽軒平八製」らしい文字が残っています。昭和のゴム印モノで、和風な絵柄の飯茶碗を注意して見ていると時々見つかります。その隣は昭和っぽい盃で、真ん中の梅花一つを残し、まわりに枝や蕾が描かれていたのですが消えてしまって微かに痕跡を残すのみです。その右隣は吹き墨の富士山柄の飯茶碗、富士山も昔は人気のあるモチーフでした。

 中段右端は私が緑の縦縞と呼んでいるタイプで、丼や小丼っぽい、ややごつい器が多いです。少なくとも広島では一つの海岸で陶片を10も拾ったなら、高確率でこれが混じっているのではないかと思うほどです。赤い色や、中間色、金色を使わない点、ワンパターンな点は緑の二重線の国民食器を連想してしまいますが、国民食器と違ってバリエーションはけっこうあります。国民食器が統制番号を持つことが多いのに対し、これはない場合が多いのですが、統制番号入りもありますから、昭和戦前、二桁時代かと想像しています。

 下段左端は統制番号のようですが記号が読めません。その隣も統制番号「瀬297」碗か小鉢のようです。統制番号モノの右隣は蛇の目釉剥ぎしていますが、裏の高台の形、ろくろ跡、全体の感じから砥部産、それも大正時代以降の可能性が高いと思っています。下段右端は戦後のモノですが、ちょっとおもしろいので、次の記事にアップします。



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by touhen03 | 2014-05-16 16:25 | 広島の島

釣士田港の陶片 その6

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 こちらは銅版転写で模様を付けた、明治~昭和の量産食器たちです。上段左端はほぼ完品で出てきました。ここの干潟は陶片の保存状態が良い方です。中段の真中二つは、皿の表面に、窯の中で重ね焼きをした時の痕があります。砥部産の可能性が高いです。下段左端の飯茶碗は旭日旗入り。その隣の湯呑は、爪や雲の描き方、雲の中の宝珠っぽい塊、たぶん竜でしょう。昔は竜柄が好まれたようです。右端はウイローパターンぽいですが、よく見ると模様の細かい部分が違うかな。ウイローパターンもどき、といった感じでしょうか。



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by touhen03 | 2014-05-13 22:51 | 広島の島

釣士田港の陶片 その5

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 これも型紙摺り陶片の皿など。何度出てきても私は拾います。海岸と川には明治~大正時代に作られた、或は砥部が昭和になっても作っていた型紙摺りの器が定番のように出てきます。でも場所によって出てくる数は違います。小さな破片なら人工の浜からでも、一つ二つはどこからでも、そして今回のようにたくさ~ん出てくることも。釣士田港内、ごく小さな破片はもっとあり、さすがに拾いませんでした。型紙摺りが大量に出てくる場所からは、まず確実に江戸陶片が出てきます。



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by touhen03 | 2014-05-13 22:13 | 広島の島

釣士田港の陶片 その4

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 型紙摺りの碗や蓋です。上段左端の碗、外側の花唐草、内側の縁模様のゴテゴテ、見込みの模様、このタイプ砥部に多いようです。型紙は専門の業者がいて、模様で産地は特定できないそうですが、それでも「砥部好み」とでも呼びたいパターンはあるみたいです。すぐ隣の小片も、同じような碗だったのかもしれません。

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 下段右端の小さな白い陶片、小ぶりの碗の蓋かな。見込みのワンポイント、小さくても型紙摺りで、よく見ると可愛いです。



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by touhen03 | 2014-05-12 23:07 | 広島の島

釣士田港の陶片 その3

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 さて、こんなもの拾っちゃいました。瀬戸っぽい土、瀬戸のくらわんか陶器皿にあるような五弁花。広島の海岸や川を18年歩いてますが、「瀬戸系くらわんか」はほとんど出ていません。近畿、中部、そして東日本からはけっこう出てくるらしくて、いくつか陶片を頂いていますが、それらや、本の写真と比べてみました。高台ががっしりしたものが多い気がするのですが、これはやや薄手です。が、「本家のくらわんか」だってやや薄手はありますもんね。高台を斜めから見るとかなり磨滅しているようで、新品の時には畳付きの部分は角ばっていたのではと思います。広島では、このタイプ、ほんっと出ないんですよ。ただし、この同じ釣士田港内で2010年に小片を拾っています。さてさて、江戸期の瀬戸くらわんか皿なんでしょうか?



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by touhen03 | 2014-05-11 11:06 | 広島の島

釣士田港の陶片 その2

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 上段、中段は江戸後期~幕末にかけてのもの。この線描きタイプ、よく出てきますね~ 中段右から2番目は瀬戸・美濃系の幕末モノだろうと思います。その左隣は小さな合子の蓋。江戸陶片は圧倒的に飯茶碗とシンプルな小皿、湯呑あたりが多いのですが、ここはいろいろ出てくるようです。

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 ちょっと濁った濃い染付の色、これは明治時代っぽいですね。見込みは吉祥模様の桃でしょう。この小皿、よく見ると上絵付けの跡が見えます。華やかな色絵皿だったはずです。骨董市でも、ネット上でも、このタイプの派手な小皿はよく見かけます。裏の白い痕は私が殺戮したフジツボ達の痕跡。戦後の茶碗にでも巣食えばよかったものを。どうぞ成仏してください。




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by touhen03 | 2014-05-11 05:58 | 広島の島

釣士田港の陶片 その1

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 呉市倉敷町釣士田の港内で拾った陶片のうち、江戸時代中期~後期と思われるものです。中段左から二つ目は写真を見て、裏の染付の、まるで昭和の雑器によくあるような色と雰囲気が気になり、実物を再度確かめましたが、実際の色は写真よりほんの少し落ち着いていました。たぶん江戸モノだろうと思っています。上段右端、青磁の器はとても小さいけれど内側は無釉です。色と雰囲気から一応江戸モノに分類しましたが、これも何なのか不明。

どうしても、たぶん・・・を付けてしまう陶片に出あってしまいます。そういうブログなんでございます。(ー_ー)



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by touhen03 | 2014-05-10 05:51 | 広島の島

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 今回の釣士田港陶片のてんこ盛り写真です。古いものは江戸中期18世紀前半と思えるものから昭和まで、前回2010年に負けない量拾えました。この感じではあと1~2回は大漁が見込めるかもしれません。



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by touhen03 | 2014-05-05 12:12 | 広島の島