2016年 03月 25日
旅の破片


似島で拾ったこれ、なんだと思いますか?釉は多少掛かっているみたいですが、側面はブツブツとした感じで、とても粗末なしろものです。海岸や川でたまにみかけたことがあり、最初は戦時下のものだろうかと思っていました。

実はこれ、汽車茶瓶の湯呑だろうと思います。今のようにペットボトルなどの無い昔は、旅をすると、駅弁と一緒にお茶を入れた粗製の茶瓶を買っていました。骨董店で買ったこの茶瓶には国鉄の動輪マークが入っています。下の数字は、何回撮ってもうまく写らなかったのですが、たぶん特許と読める文字がありますので、その番号でしょう。この手の茶瓶、大正時代から昭和30年代くらいまで売られていました。そんなに古いものではないのですが、これを買っての旅に、今とは違う旅情を感じます。

こんなふうに湯呑を重ねて売っていました。蓋も兼ねていたのです。

湯呑はやはりブツブツとした肌をしています。コストを下げるためにできるだけのことをしたのでしょう。

上から撮ってみました。持ち手は細い針金です。

底はこんな感じ。
たまには持ち帰った人もいたらしく、海岸や川からも汽車茶瓶は出てきます。ただし、粗製の茶瓶は割れやすかったか、今まで拾ったものは粉々でした。海岸や川で見つけるためには、パーツの特徴を覚えておく必要がありそうです。
2016年 03月 23日
あらら、近代でした~

この陶片、実は今回の宮島の陶片その1でご紹介したものの一つです。たぶん江戸時代か?と書きました。

集合写真の上段、右端のコレです。

わずかに残った青磁部分が妙に美しすぎるほどでしたが、宮島なので、質の良いものは出ても不思議はないため、まあそんなものかな・・・と思ってしまいました。

最近は目が悪いせいか、実物を見ているときには気づきませんでしたが、写真を加工していて発見。高台内に裏印のようなものがあるような・・・

これです。それも手描きではなさそうです。江戸モノか?などと書きましたが、これ、どうやら近代ですね。それもけっこう新しめかも。昭和になってるかもね。今は陶片の少なくなった宮島。少ない獲物に過大な期待をしてしまいがち。たとえ2〜3cmの破片でも江戸モノと判断できる場合もありますが、やはり小さな破片は要注意でした。
2016年 03月 20日
宮島のアサリ

今回は陶片が拾えなかった時のため、カイカキを持っていきました。そして1時間半陶片を拾った後、掘ってきましたアサリも!アサリのポイントは陶片とは違うので、波打ち際まで移動します。昔は30分もあれば家族で1回食べるくらいは掘れましたけど、今はそんな甘っちょろいものではありません。5回も10回も掘り返し、コツンと微かな当たりを感じたら、運が良ければ2〜3個続けて獲れたりします。体力勝負ですが、それでも丸々と太った貝を、干潟の泥からポコッと抜き取った時の嬉しさは格別です。

これが1時間半追跡した獲物です。潮干狩りというより、狩猟ですね。ワラビでもツクシでも、人一倍夢中になって採るタイプの人なら楽しいです。人間には狩猟本能があるのだなあと実感できるのが宮島の潮干狩りです。これでも家族3人で食べるには十分でした。スーパーのアサリなんかとは味が違います。うわ〜、美味しいっ!幸せ一杯。以前、人工干潟でアサリの奇形が目につきましたが、宮島のアサリに奇形はありませんでした。真っ黒の泥の中から、太った健康なヤツがごろごろ・・・とはいきませんが、努力すれば捕獲できます。
2016年 03月 20日
宮島の陶片 その2 & てんこ盛り


今回拾った近代モノです。上段は銅版転写、右の皿の蝶柄は初めて拾いました。下段は昭和の国民食器と桜の吹き墨タイプの盃。この盃もよく出てきます。近代モノは、あまりに小さな破片は、よほど珍しいものでない限り拾わないせいもあって今回はこれだけです。

恒例のてんこ盛り写真。今回は無理かな・・・と思いつつ、なんとかそれらしく盛り付けました。
2016年 03月 16日
宮島の陶片 その1


今回拾った陶片です。大きな江戸陶片がごろごろ・・・なんてのは今は昔ですが、それでも17〜19世紀の江戸モノがけっこう拾えました。
上段左端2つは17世紀前半〜半ばくらいのもの。この時代の染付磁器が出るのは広島では宮島や鞆など限られた場所です。宮島へ来たんだなあと実感。その右隣はくらわんか皿の小片。中央の黒っぽいのは陶胎染付というタイプ。その隣も江戸モノでしょうけど、このあたり小さすぎますね。昔の宮島なら持ち帰らなかったかもしれません。右端は洗ってみるまで時代不明という感じでしたけど、たぶん江戸モノか?ほんの少し残った外側の青磁釉が美しいです。右から2つ目の小鉢?は五弁花付きです。小さくてもこれはうれしいです。
中段左端は19世紀になっていそうですが、くらわんか的な小皿。その隣の碗?は帆掛け船の絵入り。その隣は湯呑のカケラか。右側3つは蓋です。右端は前の記事で取り上げた青磁染付碗の蓋。18世紀後半のものです。このタイプ、宮島だけで大きな引き出し一杯ありますが、何度出てきても感動してしまいます。
下段左端は19世紀の広東碗と呼ばれるタイプ。広東と言ってももちろん日本産。隣の湯呑、これと同じ模様を以前も拾ってます。その右隣はこれも19世紀の江戸モノに多い線描きタイプ。小さすぎますけどね。右端は江戸時代くらいのすり鉢、その隣は小さすぎて何か判りませんが、中に釉が掛かっていないので食器ではなさそうです。質感から江戸モノだと思います。そして、その左隣の染付小皿ですが・・・江戸モノと一緒に撮ってしまったのですが近代かも。

染付の色、拾った時の薄汚れた状態では江戸と思ったのですが、洗って、こうして拡大して見てみると、近代っぽいかな。

特にこの裏がね・・・近代の砥部の量産小皿によく似てます。裏を見せて転がっていた時は、おっ、砥部の銅版転写皿かと思いましたから。要するにロクロ痕がはっきり残って雑な感じ。だからって砥部とは限らんか。うーん・・・エイッ、知らない!オイオイ