2013年 08月 21日
原川・梅迫川河口 陶片 その3
上段左端の鉢は外側が型紙摺り、内側が手描きです。その隣は江戸の雰囲気をそのまま受け継いだようなデザインですけど合成染料っぽいです。写真より実際はもう少し色が濃い感じです。上段右端の型押し四方小皿、これに似たタイプは美濃あたりで明治時代にたくさん作られていますが、これは模様が浅いですね。松などが描かれているようです。
中段右端は片口の口の部分。残りの二つも片口でしょう。醤油やお酒を移す時に昔はよく使われたようです。がっしりと重たいので、大きな破片で底だけ出てきたりすると、見なかったことにしてしまうこともありましたが、地味ですが美しい器だと思います。
そして、下段の小さな杯のようなもの。これ、何だと思われますか。こんな感じのものが、これまでもたまに出てきています。汽車茶瓶の湯呑ではないかと最近になって気が付きました。汽車茶瓶とは、お茶を入れて売られた使い捨ての茶瓶です。昭和30年代頃まで、駅で弁当とともに売られていました。湯呑にしてはずいぶん小さいのですが、汽車茶瓶そのものがあまり大きなものではありませんし、蓋も兼ねていた湯呑はかなり小さかったはずです。写真で見る湯呑に質感も、縁の感じもそっくりなんです。これから注意して拾ってみようと思っています。
「平城宮跡を守る会」http://narapress.jp/hjk/