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日本民藝協會「工藝選書」5冊 おまけの記事

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 偶然手にした「工藝選書」5冊。読んでいると時代を忘れてしまいます。出版物には本来、時代のもつ癖があります。しかしこれは不思議なくらい、戦時下出版物の持つ癖がありません。私は柳宗悦の書いたものをまとまった形で読んだことはなかったのですが、実は抜粋なら、引用文としてなら、目にしていた気もします。なるほどと思いました。戦後の出版物の中に混じって違和感がないのです。

 もちろんそれは逆で、戦後の感性のある部分がこの人に寄っているということでしょうね。「銀花」という雑誌があります。私はこの手のものが好きで、ついつい買って読んでしまいます。柳宗悦をろくに知らないくせに、なんだか以前からなじんでいるような。今回、昭和17~18年の出版物と一緒に目にして、それを自覚したということなんでしょうねえ。わはは

 戦時下の出版物を読んでいると小さな謎が生まれます。昭和20年の8月15日を境に、戦前の世界はどう繋がっていったのかということ。もちろん、占領政策、GHQの存在があって、焼野原とたくさんの人の死があって、アメリカの豊かさに憧れて、そして戦前からの小さな澄んだ流れを多くの人が見つけたということかな。どうしよう、この文章。後で削除したくなりそうな気もするのだけれど。ここまで書いたし、まあ、仕方がないか。

たまたま手に入った「工藝選書」、戦時下の印刷物として、とにかく異常なんですよ。この一言に尽きますね。
by touhen03 | 2015-01-27 00:00 | 骨董市・ガラクタ