2015年 08月 29日
油絵の絵葉書 その1
ずっと不思議に思っていた絵葉書がありました。まるで油絵のような質感で描かれた風景画。絵葉書の素材はもちろん、普通の紙。
表面をアップしてみると、こんな感じ。
宛名面を見ると、通信欄が1/3で、これは明治末から大正前半頃の特徴です。
骨董市で買った昭和63年発行の「絵はがき物語」秋山公道著(富士短期大学発行 紀伊國屋書店)に、これと似た絵葉書について載っていました。山と藁ぶきの家と帆船を描いた風景画で、明治40年肉筆とあり、「西洋絵具を使用した」、「油彩絵はがき」と記されていました。今のところ、この本以外に私は情報を持たないのですが、私が物色する安い絵葉書の中で見つけましたので、けっこうたくさん作られたのだろうと思います。日露戦争後、絵葉書ブームが起き、いろいろ趣向を凝らしたものが作られたようですが、その一つなのでしょうか。