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占領下日本製の人形

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 これが音戸の川で拾った、占領下日本の輸出用人形です。戦後、民間貿易が再開された昭和22年(1947年)から27年(1952年)のサンフランシスコ講和条約までの5年間、日本からの輸出品には、MADE IN OCCUPIED JAPAN (占領下の日本製)と記されていました。これまで私は宮島と似島で小さな破片を2つ拾っていますが、OCCUPIEDという文字の部分が欠けていたら見分けがつけにくいことと、たぶん本来輸出品だったせいで、なかなか状態の良いものを拾うことができませんでした。今回の人形は片足が欠けてはいますが、実に良い状態で出てきてくれました。ただし、漂白剤に浸けて洗うと、色が一部剥げてしまいました。できるだけそおっと扱ったのですが、シャツの緑色の部分は特にボロボロ剥げ落ちてどうしようもありませんでした。拾ってすぐに写した携帯の写真と比べると、緑色も靴の赤も薄くなっています。
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 底の部分が完全な状態で残っていたのは、ほんとうに幸いでした。
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 地表に出ていた部分はだいぶ剥げていましたが、泥の中に埋まっていた部分はこんなに鮮やかに色が残っています。時代が比較的新しいですし、ひょっとしたら捨てられた時期はもっと後なのかもしれません。本来輸出用の人形がなぜ、ここにあったのでしょう。呉市は戦後、進駐軍が大勢いましたが、音戸はその呉市と目と鼻の先です。もしかしたら、進駐軍の兵士からこの人形をもらった女性がいたのかもしれません。
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 前から、後ろから、頭の上から、いろんな角度から写してみました。
by touhen03 | 2008-05-08 00:28 | 広島の島